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2025年1月25日土曜日

原発反対 - 10万年かかる「核のゴミ」の無害化

二酸化炭素削減と原発推進論の落とし穴: 10万年の呪縛と核のゴミ問題

近年、地球温暖化対策として二酸化炭素(CO2)排出削減が急務とされる中、「CO2を出さない」という理由で原子力発電(原発)に再び注目が集まっています。しかし、原発には深刻なリスクと、未来世代への責任を問う重大な問題が存在することを忘れてはなりません。それが「核のゴミ」問題です。

2万6千トンの負の遺産: 高レベル放射性廃棄物

原発から出る放射性廃棄物のうち、最も放射能レベルが高いものが「高レベル放射性廃棄物」、いわゆる「核のゴミ」です。これは、使用済み核燃料を再処理する過程で発生する高レベル放射性廃液をガラスと混ぜて固めた「ガラス固化体」として保管されています。日本にはすでに2万6千トン相当(ガラス固化体換算)の核のゴミが存在し、その量は増え続けています。

10万年かかる「核のゴミ」の無害化

核のゴミは、生成直後には人が近づけば十数秒で死に至るほどの強烈な放射線を放ちます。その放射能レベルが自然界のレベルまで低下するには、数万年から10万年という、人類の歴史を遥かに超える途方もない時間が必要とされています。これは、私たちが想像を絶する時間軸で、未来世代に負の遺産を押し付けることを意味します。

地層処分の難航: 日本の地質と倫理的課題

2000年に成立した「最終処分法」では、核のゴミは地下300メートル以深の安定した地層に埋める「地層処分」が基本方針とされています。しかし、地震や火山活動が活発な日本において、10万年という極めて長期にわたり安定していると保証できる地層を見つけることは極めて困難です。

さらに、処分地の選定は地域住民の理解と同意が不可欠ですが、放射性物質への不安から合意形成は非常に難航しています。これは、技術的な問題だけでなく、倫理的な問題、つまり「自分たちの世代が享受する電力の代償を、未来世代に押し付けて良いのか」という根本的な問いを突きつけています。

再生可能エネルギーへの転換こそ持続可能な未来への道

二酸化炭素排出削減は重要な課題ですが、そのために未来世代に計り知れないリスクを負わせることは、本末転倒と言わざるを得ません。私たちが本当に目指すべきは、持続可能な社会です。そのためには、核のゴミという負の遺産を生み出さない再生可能エネルギーへの転換を加速していくことが不可欠です。

  • 太陽光発電: 家庭用から大規模発電所まで、多様な形態で導入が進んでいます。
  • 風力発電: 海上風力発電など、新たな技術開発も進んでいます。
  • 地熱発電: 火山国である日本に適した発電方法です。
  • 水力発電: 既存のダムを活用した発電に加え、中小水力発電の導入も進んでいます。

私たちにできること:未来への責任を果たすために

核のゴミ問題を他人事とせず、私たち一人ひとりが真剣に考え、行動していくことが重要です。

  • エネルギー消費を見直す: 無駄な電力消費を減らし、省エネを心がける。
  • 再生可能エネルギーへの転換を支持する: 再生可能エネルギーの普及を促進する政策や企業を支持する。
  • 情報に関心を持ち、議論に参加する: 核のゴミ問題について正しい情報を知り、積極的に議論に参加していく。

未来世代に責任ある行動をとるために、今こそ行動を起こすべき時です。