2016年5月13日の札響定期演奏会第589回(札幌コンサートホール Kitaraにて)を聴いての感想。
指揮は札響首席指揮者のマックス・ポンマーさん。女声合唱に札響合唱団。ソプラノに市原愛さん。
演目は次の三曲。
- ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」 (約10分)
- ドビュッシー「夜想曲 管弦楽と合唱のための交響的三部作」 (約15分)
- マーラー「交響曲第4番 ト長調」 (約55分)
今回のお目当てはドビュッシー(1862 - 1918)の2曲。聴いてみて、やっぱりドビュッシーが好き、と思った。ドビュッシーの曲は、メロディーを聴かせるというよりも、音のふんわりした塊というか、雲というか、テクスチャーというか、そういうものをオーケストラを上手に使って紡ぎだしている感じがして好き。ドビュッシーらしいハーモニーの使い方も好き。ドビュッシーは柔軟で、明るくて、さらっとしている感じがする。自分がクラシック音楽に抱いていた先入観、荘厳で鈍重で堅苦しくて重苦しい、をドビュッシーが払拭してくれる。ついでに言うと、ラヴェル(1875 - 1937)とサティ(1866 - 1925)も好き。奇しくも3人共に、19世紀末〜20世紀初頭にかけて活動したフランス人。
マーラー(1860 - 1911)の曲はあまりピンと来なかった。時代的にはドビュッシーと同時代なのだが、どちらかというと昔のクラシック音楽のような形式張って固い感じ。マーラーで良かったのは第4楽章のソプラノ独唱。クラシックの独唱を生で聴くのは生まれて初めて。ソプラノってキンキンしていそうであまり良い印象を持っていなかったのだが、実際に聴いてみるととても美しい音色。クラシックの発声法だけが美しい歌声ではないけれど、伝統のある歌い方にはやはり美しいと感じさせる何かがあるんだなと思った。
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